ステップべゼルと言えば、やはりロンジンのトレ・タケは外せない。昨今は急激に人気が高まり、市場ではコレクターにほとんど独占されている感のあるレアアイテムになってきました。
仕掛け人が誰なのかは定かではありませんが、それもまあ頷けるというか、ステップの幅や高さ、治りの良いサイズ感など、デザインのバランスがとにかく洗練されている。文字盤のバリエーションも豊富で、そのどれもがクール。そりゃ人気も出ます。

 

 

ロンジンのステップべゼルは、実は細かなセッティングの違いが数多くみられます。
雲上モデルとなってしまった35mmのジャンボサイズを筆頭に、やや大振りな32mm、最も腕馴染みの良い30.5mm、そしてやや小振りでラグ幅も15mmのパリス管仕様となる29.5mm。
今回のリスティングには30.5mmが2点ありますが、それぞれ微妙にステップべゼルの仕様が異なります。

 

 

 

左のブレゲ数字と中央の黒文字盤はいずれも30.5mm。黒文字盤は通常のステップ仕様で、一番右の29.5mmの個体と同様なのに対し、ブレゲ数字の個体はステップがやや幅広のワイドステップべゼル。非常に細かい違いですが、印象は確実に変わります。
ちなみに、ロンジンの専売特許と思われがちなステップベゼル×トレタケの腕時計ですが、ロンジン以外もあります。こちらは〈エベル〉ですが、ロンジンのステップベゼルに極めて近い印象。

 

 

 

今回のラインナップにはロンジン以外のステップベゼルモデルもセレクトしています。ステップの幅、高さ、質感、そしてラグデザインなどに固有の表情を持ち、その全てが秀逸。

 

 

 

 

 

例えば左の〈スヴェイラン〉は、普段のステップベゼルケースではあまり見られない異様なラグデザインを持っていたり、あるいは右の〈ユニオンスペシャル〉は、ラグがベゼルの一段低いところから伸びる、パテック・フィリップに代表される「カラトラバケース」の特徴を有していたり。これだけで全然印象が違います。

 

最後にご紹介するのは、個人的に「こんなのあるのか」と声が出たオメガ。

 

 

 

金無垢のドレスウォッチでは非常に珍しいステップベゼル。ラグデザインも凝っていて、何よりこれ、デニソンケースです。どんだけバリエーションあるんだ。。。