アクの強い服を着るとき、どうしてもスタイリングが野暮ったくなってしまうということがあります。
重厚感のあるジャケットや重いカラーリングのアイテムがスタイリングのメインになると、シャツやスニーカーで軽やかに見せるのが常套手段ですが、それだけだとどうも単調な感じが拭いきれない。そこで役に立つのが、カッパーカラー(赤銅色)の文字盤を持つ腕時計です。
 

アンティーク 腕時計

左から、《ベルモンテ》のクロノグラフ、《リップ》のレクタングル、《エローガ》のパーペチュアルトリプルカレンダー。いずれも個性的な面々。中でもリップは、ベースとなるブラック×グレーのツートーンダイヤルがカッパーカラーのインデックスを引き立たせ、華やかな印象を与えています。
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カッパーカラーという色は不思議なもので、どちらかというとアクが強そうな印象ながら、文字盤に使われると格段に品の良さと高級感を生み出します。これは、一般的にシックと言われるブラックダイヤルにはない独特の味。ブラックダイヤルの武骨さを上手く中和して、繊細さだけを抽出したような彩り。
今回とりあげるカッパーダイヤルの腕時計は、どうやったら主役級アイテムの味わいを殺さず上品さをプラスできるかという悩みの、ひとつの解になると思います。そこで例によってストリートスナップから、プラスワン的なスタイリングを考えてみたいと思います。
トップバッターはロンドンのマーケットから。
ボア付きレザージャケットと立派なヒゲが主役。ルーズに巻いた赤いバンダナもお茶目。今の日本の気候にはそぐわないですが、こういうアクの強いアイテムが並ぶスタイリングにさりげなくカッパーダイヤルの腕時計が覗くと、急に品格が上がります。
 
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こちらは逆にスマートなスタイリング。上品さが光るチェスターコートとタイドアップで全体をフォーマルに見せつつ、足下をスニーカーでハズす作戦。ただ、きれいだけどちょっと物足りない印象も。このスタイリングにホワイトダイヤルは普通すぎるし、黒文字盤だとちょっと重い。こういうパターンにカッパーダイヤルがハマります。ロンドンの路上にて。
 
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今度は少しカジュアル。クラシックなアイテムを柄とシルエットで自分流の味付けをしたスタイリング。この人は黒文字盤のやや大振りな腕時計をしていますが、色味もやや単調なうえにスキニーなスタイリングには腕時計のサイズが大きすぎ。彼には今回ご紹介したリップのレクタングルをおすすめしたいと思います。ロンドンのマーケットにて。
 
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ちなみにレクタングルシェイプの腕時計は、バングルやブレスレットとの重ね付けにも相性の良さを見せます。ラウンド形に比べて小振りであっても、重ね付けによるボリュームアップでオリジナリティもプラス可能。好みが分かれるジャンルではありますが、意外と服装を選ばない汎用性の高さがあるのです。
 
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アンティークウォッチの文字盤に使われる色は、主に白か黒、たまにグレーとのツートーンダイヤル、といったように意外とバリエーションがありません。カッパーダイヤルは伝統的に用いられてきたポピュラーな文字盤でもあり、ファッション性の高いバリエーションとしてもう少し認知されてもいいような気がします。