もともと文字盤上に複数の計測機能を有するクロノグラフ。その多くは35mm以上のケースサイズを持つ大振りなもの。
多くの情報を一つの文字盤に表示する以上、視認性を確保するために広い文字盤を要した結果ケースが大きくなるのは自明ですが、そういう要請が少ないシンプルな三針時計で35mmを超えるビッグサイズの腕時計には、ある種「無意味という意味」を内包しています。
確かに、大きい方が視認性の面では優れていると言えます。しかし、懐中時計もまだ広く用いられていた1940年代にわざわざビッグフェイスの腕時計を企画するというのは、言ってしまえば遊び心。
クロノグラフと遜色ないケースサイズでクラシックな三針文字盤というのは、ヴィンテージウォッチとしては極めて異色。逆に現行品ではそれほど違和感のないサイズもタイムレスな印象を醸し出します。