今月のテーマは、「フランソワ・ボーゲルの腕時計」。
advintageでは過去にデニソン・ウォッチケース・カンパニー等のウォッチケース専業メーカーの特集を行ったりしていましたが、今回はこのフランソワ・ボーゲルのみにフォーカスします。
フランソワ・ボーゲルと言えば、FBケースあるいはボーゲルケースと呼ばれる防水ウォッチケース製造の名門。完全防水腕時計の代名詞ロレックスがオイスターケースを発表するもっと前、19世紀末から様々な防水構造を持つケースを発明・製造していた防水ケースの始祖と言えるメーカーです。
同メーカーは1924年にタウベルト社(Taubert & Fils)が吸収し、事業は引き継がれていくためそちらの名前で知られることもありますが、全ての個体に始祖フランソワ・ボーゲルのイニシャル”FB”と鍵のモチーフが刻印されています。
このFBケースを採用するウォッチブランドは多く、代表的な例は言わずと知れた雲上の名門〈パテック・フィリップ〉。実に多くのデザインでFBケースを用いていますが、特に他のブランドもこぞって真似をした有名なデザインが、ベゼルとラグがシームレスに一体化する独特のストリームラインを持つユニークなスムースケースです。

 

 

 

その他、モバードやミドー、ウエストエンド・ウォッチ・カンパニー、そしてブラヴィントンズなど、特に英国市場で活躍したブランドやジュエラーの腕時計に数多く例を見ることができます。
デザイン・バリエーションも実に多彩。もはやウォッチブランドすら覆い隠してしまうような独自の存在感を放つFBケース。掲げるテーマの通り、すべて「フランソワ・ボーゲルの腕時計」とあえて表現したいラインナップです。