サマーウォッチ2019、総括。
 

advintageの得意分野ではありませんが、ミリタリーウォッチも各国あります。特に陸軍支給の腕時計は、堅牢でタフな設計が魅力的です。
定番の黒文字盤も良いですが、味のあるホワイトダイヤルは真夏の太陽によく似合う。

 

 

 

 

 

個人的に、真夏は白文字盤が好き。真っ白じゃなくて、ほのかに日焼けして色付いたくらいならなお良し。いずれも第二次大戦中〜直後に製造されているためか、ミリタリーウォッチ的なデザイン性の濃い腕時計たち。無骨なSSケースも表情があって味わい深い。

 

 

 

 

 

シングルのステップドベゼル。その重厚感はもはや官能的ですらあります。ユニークケースの代表格として知られるステップドベゼルですが、その多くは堅牢な防水ケース。
持ち前の武骨なルックスも相まって、夏場露わになることの多い腕元を飾るにふさわしいアイテムと言えます。重ねたバングルやブレスとの相性も◎。

 

 

 

 

 

マルチステップドベゼル。シングルに比べ明らかに手の込んだその造形は、繊細さを含んだ凝縮感を放ちます。
1940年代当時、非常に硬いステンレススチールを自在に削る技術は、新型の工作機械を導入できた一部のメーカーに限られていました。だからこそ、オールステンレススチールのステップドケースは固有の価値があるのです。

 

 

 

 

 

対の腕時計、黒文字盤。
1930年代、英国領インド政府におけるシヴィルサーヴァント、つまり公務員向けに支給されていた〈ウエストエンド・ウォッチカンパニー〉の腕時計。ミリタリーユースも考慮され、防水性・防塵性の高いツーピースケースは堅牢そのもの。
特に面白いのは、本家作だけでなく他社製の個体も存在している点。写真左は〈ミドー〉が手掛けたオートマティックモデルで、「マルチフォート」のネームも見られます。夜光の有無で異なるものの、セクターダイヤルやアラビア数字のフォントはかなり本家に寄せてますね。

 

 

 

 

 

対の腕時計、白文字盤。
左がミドー製のウエストエンドで、今度は夜光の有無が逆。普遍的なミリタリーデザインを共有しつつ、それぞれオリジナリティのある針やケースデザインが光ります。
ちなみにラウンド型のウエストエンドは、1930年代のレアな初期モデルにしかない特徴。アラビア数字もソリッドな書体が使われていて、後期型よりも断然カッコいい。と個人的に思います。