アンティーク 腕時計

 

靴と腕時計の共演。先日終了したユニオンワークスでのポップアップイベントは、その幸福な関係を味わうことができる最高の舞台でした。ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。

クラフツマンシップという共通項だけでは表現しきれないものがそこにはありました。独特の寡黙さが滲む腕時計、溢れる背景をぐっとその身にひそめた佇まいがより強調されて、普段のお店では表現できないことができた気がします。あくまで個人的な話ですが。
靴はブランドロゴが外から見えない部分に記されていて、パッと見は分かりません。もし仮に、トゥ辺りに〈ジョン・ロブ〉などとロゴが入っていたらと思うと、ゾッとします。
翻って腕時計等は特に文字盤にしっかりとロゴが入ります。下手にブランドが全面に出てしまうと、それによって装い全体、ひいては着用する人のパーソナリティまで簡単に先入観が形成されてしまいます。知られざるブランドの良さは、そうしたブランドイメージに邪魔されず、そのデザイン性や背景、作り込みの良さを十分に味わうことができるところだと思います。
そしてまた、ユニオンワークスの仕事風景とマッチするadvintageの腕時計を模索するのも、とても楽しい試行錯誤のひとつ。今回はそのイメージカットとともにアイテムの一部をご紹介します。

 

 

 

アンティーク 腕時計

RALCO / CYLINDER CASE 1940’S
凛とした表情のなかに、ふと余所余所しい横顔を見せるこの時計は、パリで出会いました。〈RALCO〉という聞き慣れないブランドロゴはデザインに溶け込み、アノニマスな存在感に。

 

 

 

 

アンティーク 腕時計

GARRARD / BY SMITHS 9KYG 1960’S
スミスが英国の老舗宝飾品店〈ガラード〉に別注製作したこちらの腕時計。スクリューバックを備えた金無垢ケースがボリューミー&タフ。英国フォード社の社員向けに贈呈された個体で、スミスが手掛けた腕時計の中でも屈指の完成度の高さを誇る18石のムーブメントを搭載したハイエンドモデルです。

 

 

 

 

アンティーク 腕時計

WINEGARTENS LONDON / TEAR DROP LUGS 9KYG 1940’S
かつてロンドンに存在した宝飾品店〈ワインガルテンス〉のショップウォッチ。ティアドロップ形のラグが存在感を強調するユニークなシルエット。小振りなサイズ感にデコラティブなラグが加わり、ハイセンスなアンバランスが魅惑的なジュエラーズウォッチならではの一本。

 

 

 

 

アンティーク 腕時計

R L COZENS & SON TAUNTON / 9KYG CUSHION CASE 1930’S
今度はイギリスの片田舎、トーントン(TAUNTON)に当時あった宝飾品店によるショップウォッチ。金無垢のクッションケース、ブレゲ数字やブレゲ針といった高級時計のディテールを踏襲した美しい仕上がりは、もはやブランドの存在意義を忘れさせてくれる程の高い完成度。

 

 

 

 

アンティーク 腕時計

SMITHS / “6B” ROYAL AIR FORCE 1967
言わずと知れた、スミスのブロードアロー。その圧倒的多数が英国陸軍(ブリティッシュアーミー)に支給される一方、ごくわずかに英国空軍(ロイヤルエアフォース = RAF)に納入されました。幸運にも今回の買付けで、その希少な個体にめぐり会うことができました。