もうすぐ、また新しい年が始まります。
時代というものは何か出来事をきっかけにしてガラッと変わるものではなく、じわりじわりと変わっていって、気が付いたら新しい時代が始まっている。歴史学を学んでいた学生時代にそんなことを教わりましたが、この時期はいつもそれを思い出します。
ファッションの世界も毎年流行が生まれては消えていますが、長い目で見るとそれに似た動きをしています。その中でも定番アイテムや老舗ブランドは常に安定した人気を持っているように見えます。
トレンドに左右されない製品は、作りが良かったり、伝統的な技法やデザインが守られていたり、不動の人気に相応しい努力の歴史があります。ヴィンテージウォッチもその多くは古い歴史を持ち、その普遍的なデザインも加わって、流行り廃りのないアイテムとして位置付けられるかもしれません。
でも敢えてこう言いたいと思います。いつの時代も変わらないもの、なんてつまらない。
ただ有名なブランドだから良いとか、高級なムーブメントを積んでいるから良いとか、希少だから良いとか、一言と二言の説明で事足りるものであれば、advintageで扱う意味は無いと思っています。人が作ったものであれば人に飽きられるのが必定。トレンドに左右されるのも、かえって楽しい。
知る人ぞ知るブランドが手掛けた美しい腕時計や、繊細で細やかなデザイン性に惹かれる無名の腕時計。ヴィンテージウォッチの魅力の本質を教えてくれる知られざる傑作は当然のこと、何より大事にしたいのは、子どもの頃おじいちゃんの部屋で見つけた古ぼけたパイプのような、旧いモノが与えてくれる瑞々しい感動。
来年も新鮮な切り口を意識し、同時に質の良いヴィンテージウォッチをご紹介して参ります。advintage流の不易流行を表現する場が、週一の渋谷店であり、トランクショー等のイベントであり、このJOURNALです。ますます尖っていく所存ですので、2018年もひとつよろしくお願い致します。