ミリタリーウォッチというジャンルは、当時実際に使用されていた様子を想起するだけでも、その魅力は何倍にも溢れるもの。特にパイロットウォッチなどのように用途をより専門化したものはなおさらです。
今回入荷している《ヘルヴェティア》の腕時計は、1930年代のナチス政権下のドイツ空軍において、戦闘機パイロットが実戦で使用していたもの。ドイツ語では「フリーガーウアー」と呼ばれ、他国で見られるミリタリーウォッチやパイロットウォッチとは一線を画すデザインが特徴的です。
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アンティーク 腕時計

 

 

このモデルはヘルヴェティア以外にも様々なメーカーが製造していました。そして用いられるベルトは、引き通しタイプではなくレザーベルトを縫い付けて使用していたと思われます。
そして当時パイロットは厚手のグローブを装着しており、非常に大振りなリューズを採用しているのも操作性を確保するためですが、実際の装着方法は写真のとおりそのグローブの上からとなっています。

 

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グローブの上に装着し、かつ戦闘機の操縦という激しい活動を考慮すると、この異常に大きなベルトラグが採用されているのも頷けます。ちなみに上の写真はオメガ製のもので、やや小振りなモデル。
下はドイツ空軍「ルフトヴァッフェ(Luftwaffe)」のエースパイロットとして有名な、アドルフ・ガーランド。ブランドは不明ですが、彼の左腕にも同様のパイロットウォッチが見えます。

 

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あまりこうした背景にのめり込んでしまうと、肝心のファッション性を失いがちなのでこの辺にしておきますが、ミリタリーウォッチの真髄はこうした歴史的価値にあるというのも事実。

 

ある程度理解した上で、あとは自分流に。

 

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