アンティーク 腕時計

様々あるアンティークウォッチの中で、アメリカのメーカーによる腕時計は一際異彩を放っています。
1940年代から1950年代のアメリカは、世界一の時計市場でもありました。時計と言えばスイスのイメージが強いですが、当時アメリカのムーブメント製造技術やその精度はスイスを上回ると言われ、生産数においても世界一を誇っていました。1920年代から1950年代にかけて数多く製造されたアメリカンウォッチは年代ごとに特色あるデザインが楽しめますが、やはりその中心となるのは角形時計。
角形時計はサイズが小さいため、現代的な感覚からすると女性向けのようなイメージを持たれがちですが、当時は紳士用としてデザインされたものでした。
ハミルトンやエルジンといったアメリカンウォッチの角形時計は、その多くが14カラットもしくは10カラットのゴールドフィルド(GOLD FILLED)というケース素材になっています。ゴールドフィルドもしくはロールドゴールド(ROLLED GOLD PLATED)とは金を真鍮などの地金に重層的に圧着させたもので、メッキとは異なり金を分厚く上乗せされているため、磨耗に強く、金独特の風合いが楽しめる技術です。現在では金の価格が格段に上がってしまったため、このような製法はほとんど行われなくなりました。
また一口に角形といっても、様々なデザインのバリエーションが存在するのも魅力のひとつ。長方形、正方形、樽型といったケース形状の違いだけでなく、フレキシブルラグと呼ばれる可動域が設けられたラグや、ベゼルと一体化するようなデザイン性の高いラグなど、一般的なラウンドモデルとは比較にならない程のバリエーションの豊富さを持っています。
金時計というと、なんとなくオジサンぽい、嫌味があるといったイメージを持たれることも少なくありませんし、小振りなためちょっと女性っぽいと敬遠される男性も多いかもしれません。でも、アンティークの金張りケースは驚くほど上品で、マットで深い輝きを持っています。コーディネート次第では、角形の金時計にしか出せない個性を引き出すことができます。また当然ながら女性の方にもおすすめ。
当店ではまだほとんどご紹介できておりませんが、今後力を入れて行きたいジャンルです。