今月のテーマは「ジュエラーズウォッチ」。宝石商の腕時計です。
現代では腕時計というとファッションアイテムで雑貨屋さんやセレクトショップ、もしくは専門店に並ぶ印象ですが、かつては宝石や貴金属製品と一緒で宝飾品店に並んでいました。
そしてそこで売られる腕時計の中には、そのお店独自で企画した腕時計も存在し、極めて個性的なデザイン性や名門に比肩するクオリティを秘めたものが少なくありません。また有名な時計メーカーに製造を依頼することが多かったことから、そのメーカーとのダブルネームモデルが見られたりと一般モデルと異なる特別なモデルも存在するのが特徴。
現在でも英国ではどんな街でも必ず1軒は宝飾品店が存在します。それらの多くは個人や家族経営で、こじんまりしたお店が大きな街ではひしめき合うように並ぶ一角があったりします。それだけジュエラリーが庶民の間に文化として息づいているんだと思います。
ジュエラーズウォッチの多くは世界的に有名なブランドでは決してないものの、英国ではそうした古い腕時計や懐中時計がとても大切に扱われているのが印象的です。英国で腕時計が道具としてはもちろん装飾品としてその価値が正しく理解されてきたことは、これらの伝統的な宝飾品店によるところが大きかったのだと思います。