一口にバンブーブレスレットといっても、実はさまざまなバリエーションがあります。

コマのデザインやひとつひとつの間隔の違い、アジャスターのスタイルなど、細かく見ていくとテイストが全く違ってくるのが面白くもあります。

 

最も有名なのが〈ボンクリップ〉のバンブーブレスレット。そのコマひとつひとつの加工技術や面取り仕上げのクオリティは群を抜きいています。

 

アンティーク 腕時計

 

 

バンブーブレスレットという極めてシンプルなデザインにもかかわらず、ボンクリップは一目でその違いが分かる。細部の構成要素それぞれの作りが良いからこそ、全体的なシルエットの美しさに波及していると言えます。

バンブーブレスレットは必ず対の2本から成っていて、折り返しパーツの部分で片方が折り返され、アジャスターで固定するという共通する構造があります。その折り返しパーツひとつ見ても、ボンクリップのそれはきちんと手の込んだ作りになっていて、折り返し部分も美しく見えるような工夫が見られます。

 

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ボンクリップと並んで作りの良さで知られるのが〈ゲイ・フレアー〉社。下がゲイ・フレアー社のバンブーブレスレットですが、ボンクリップ同様コマひとつひとつが肉厚で仕上がりも素晴らしく、折り返しパーツもきちんと作り込まれています。

 

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個人的に気になるのは、メイド・イン・フランスのバンブーブレスレット。年代は英国のボンクリップ等と同時代なのですが、デザイン性に独特のセンスが伺えるものが多いのが特徴です。特にコマのデザインが個性的なほか、二本爪アジャスターによってコマを噛ませる特殊な構造となっています。

 

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こちらの男女対のバンブーブレスレットもフランス製。デコラティブなモチーフが特徴的なアジャスターですが、実はこのモチーフが開閉のカギとなる実用性も備えているのが実に面白い。

 

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こちらは英国製のもので、コマにストライプのラインが入る幾何学的なデザイン。ボンクリップと違い民生向けのため全体のサイズも短め、アジャスターは着脱の容易さを重視したボンクリップのスライドイン・スタイルではなく、二本爪による固定性重視の設計となっています。

 

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最後にボンクリップからスペシャルを。一見すると通常のモデルと似ていますが、よく見るとアジャスターに加えてもうひとつ見慣れないパーツがあります。

 

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実はこの2本、純正の追加アジャスターパーツが付属する特殊なモデルです。市場にもほとんど出てこない超希少品、しかもデッドストック。

 

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ボンクリップは元来ミリタリーウォッチ向けのため、上着の袖の上にも着用できるよう他のメーカーのものよりも長めに作られています。そのせいで女性や腕の細い方には大きすぎて合わないのですが、この追加アジャスターはサイズをより小さくできるので女性の方もカバーします。当然ながら、サイズを大きくすることも可能。

 

 

シンプルながら奥深いバンブーブレスレットの世界。是非今月の渋谷店で触れてみて下さい。

 

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