昨日から新入荷商品が店舗に並びました。
今回はその一部ですが、少しずつブログの方でもご紹介して行きます。
少しずつですが、レディースウォッチも追加。「グリュエン」の名作にして超希少品「レディ・カーヴェックス」はやっぱり凄い。よくこんなの作ったなあ…という、エレガントと一言では片付けられない、極めて小さなボディからは考えられない迫力を感じます。
毎回イギリスが買い付けのメインになるため、どうしてもラインナップが英国寄りになりがちなのですが、「お国柄」も意識しているポイントのひとつ。英国メーカーと言えば《スミス》なら、フランスと言えばやはり《リップ》。
今回左の一本が加わり、名機”T18”のバリエーションも楽しめます。その上品なアール・デコのスタイリングは必見で、個人的にはスミスの初期モデルに並ぶ愛すべき腕時計。リップの初期モデルは元々の個体数が少ない上にコンディションの良いものが極端に少ないため、この魅力が分かる人には是非おすすめ。
”T18"と双璧を張るリップの名機”R25”も入っています。ただしこちらは18カラットの金無垢ケースが用いられたハイエンドモデル、”CHRONOMETRE LIP"。リップは比較的早い時期に安価路線をとったため、こういった高級素材が用いられたものが出てくることは極めて稀です。
そしてこちらもまたフランスらしいデザインの腕時計。
右のカッパーダイヤルが特徴的なポインターデイトモデルは、10時位置に備えられたリューズで文字盤の月表示窓の変更、および外周部に配された回転式のデイト表示を回すことができます。いわば「手動パーペチュアルカレンダー」といったところで、フランスでしばしば見かけるユニークなデザイン。
回転ベゼルが備えられた《テルミドール》のダイバーズクロノグラフも、まさにフレンチウォッチ。そのちょっとぶっ飛んだ文字盤デザインに注目。
ブラックダイヤルに、大振りなブロック型インデックスと極太のペンシルハンド。ぱっと見はよくある普通のダイバーズ。…と思いきや、そのブロック型インデックスに高さがあり、しかもミラー仕上げのブラックダイヤルに映って、なんだかインデックスが浮かんでいるように見える。つまり非常に奥行きが感じられる立体的な構造になっていて、視覚的にも楽しい一本です。
こういう、ユニークなデザインだけど腕時計としてのクラシックなベースラインはきちんと押さえてある、という絶妙なバランスの上に成り立っているダイバーズウォッチは、実際は探してもなかなか見つかりません。ぶっ飛んでて面白いけど、ぶっ飛びっぱなし、というのが全体の9割。
そういった意味で、次も非常に興味深い一本です。
「UFO」とか「ディスク」とか呼ばれるヒドゥンラグ（隠しラグ）スタイルの円形ケースと、針も含め一定の太さの線で構成されたセクターダイヤルの組み合わせ。まさにアール・デコの極致と言うべき幾何学的なデザインは「《モバード》の新作」と言われても信じてしまいそうな、1930年代の腕時計。ケース径34mmとインパクトも十分。
ケースデザインの流れで、今度はこちらの三本。左から《スミス》、《ロンジン》、《エテルナ》。
円筒をスライスしたような、薄いベゼルが垂直に立ち上がった特徴的なラウンドケースに、真上から見ると細いストレートラグ。真上からのシルエットは繊細、横から見ると逆に力強い。「シリンダーケース」と呼ばれる古典的なケースデザインですが、一風変わった新鮮な雰囲気を放ちます。特にロンジンは35mmという希少なビッグフェイスモデル。
ラストはクラシックなクロノグラフ2点。縦目と横目ですが、両者は奇しくも《ヴィーナス》社のムーブメントを搭載しています。左はCAL.170、右は175。
左の無銘のクロノグラフは、実は以前販売したもの（☞商品ページ）とほとんど同じデザイン。
無銘モデルのアノニマスな表情には、なにか謎めいたミステリアスな魅力が感じられます。多くはジュエラーが販売に際して自社ネームを入れずに販売したものですが、ショートラグのケースデザインも含めここまでデザイン性が近い個体に再度出会えるとは思っていませんでした。
《アルサ（ARSA）》は名門《オーガスト・レイモンド》が前身となる実力派ブランドで、"Auguste Raymond SA"の頭文字が名称の由来となっています。ブライトリングも愛用したヴィーナス社の高級機CAL.175を備え、ケース・文字盤ともに安定感溢れる仕上がり。まさにイケメン。
今回ご紹介したものは新しく入った商品のごく一部ですが、すでに何点か売約済みのものがあります。
気になる商品があれば、是非お早めに。