同じモデルでも時を経た環境の違いによって千差万別の表情を見せるヴィンテージウォッチ。

あるものは湿気や日差しに晒されてまだらに、あるものは表面に小さなクレーターのようなスポットが生まれ月の表面のようなエイジングを見せたり、またあるものはショーウィンドウに長年飾られていたことで止まった時計の針の位置に日焼け痕ができたりと、それぞれの生き様がいきいきとその表情にあらわれている。

当時大量に製造された機械製品であるにもかかわらず、それらはとても人間臭いパーソナリティのようなものを持っていて、一点もの、というより、”not one, buto only”と言ったほうがしっくりくるかもしれない。とても不思議な存在である。