9月の渋谷店、テーマは「黒の陰影」。
ミリタリーウォッチの代名詞とも言える黒文字盤。本来はインデックスとのコントラストを強め、面積の小さな文字盤でも視認性を確保するためのカラーリングで、そのシックなデザイン性から民生用の腕時計にもしばしば用いられる人気の高い意匠として知られています。製造数が圧倒的に少ない希少性も魅力なのかもしれません。
その仕上げも実は様々あり、マット仕上げやミラーフィニッシュと呼ばれる深い光沢感のある仕上げ、さらには陶板を黒で着色して焼成したブラックポーセリンなど。それぞれ特有の風合いがあるとともに、その経年変化も異なります。
日に焼けて微妙に茶色づくもの、うっすらと白みを持つもの。その黒はまるで印象派の絵画のように、様々な陰影を持って揺らいでいるかのような芸術性を感じるのです。そのニュアンスを感じていただければ。

 

毎週月曜、渋谷にて。今月もご都合が合えば、是非。
 

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