advintageが推す知られざる名門。その筆頭格がこの〈マーク・ファーブル〉。
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マーク・ファーブルは1900年頃にスイスのビエンヌで設立された時計工房で、アルピナを盟主とする時計協業組合〈ユニオン・オルロジェール〉の一員。そこでアルピナはもちろん、グリュエンやユニバーサル・ジュネーブのムーブメントを製造・供給したほか、1950年にオメガとティソを中心とするコングロマリット「SSIH」に加盟すると、オメガのムーブメントの開発・製造供給を開始します。
とりわけその功績として重要なのは、オメガの名機シーマスターのバンパーオートマチックムーブメントとして名高いCal.470シリーズ、そしてその後継としてコンステレーションにも搭載されるCal.500シリーズなどを手掛けたことです。この事実はほとんど一般的には知られておらず、また同社の手掛けたCal.551と561は1964年から66年にかけてクロノメーター認定を取得したことは、量産時計史上最大の快挙と言えます。
数々の栄光ある名機を生んだマーク・ファーブルですが、一方でアルピナや上記以外の腕時計は圧倒的に少なく、過去10年でadvintageが取り扱った本数も実際は片手で数えられる程度。しかもそれらのほとんどが英国史上向けで、宝飾品店が同社に製造を依頼した、いわゆるジュエラーズウォッチに限られています。文字盤にはその宝飾品店やブランド名義のロゴが記載されているか、あるいはロゴを持たない汎用目的の個体も散見される程度。
翻ってこの個体を見てみると、文字盤に”MARC FAVRE BIENNE”のオリジナルロゴが配されています。マーク・ファーブル自身のブランドロゴを冠する腕時計は、極めてまれ。この個体の製造年の1951年は、マーク・ファーブルがSSIHに加盟した翌年。あくまで推測ですが、このコングロマリットに加盟したことでこのグループ以外へのムーブメントの供給を禁じられた一方、自社ネームを冠した腕時計の製造は認められたのではないか、その際に生まれた一本なのではないかと考えています。
この個体の魅力はそれだけではなく、9金無垢のケースが経年よって美しい夕焼け色に変化している点。クロスで拭けばまた元の金色の輝きが戻るとはいえ、このなんとも言えない複雑な色味もまた格別です。








