意味もなく、角型。

意味もなく、やけに縦に長いボディ。

意味もなく、スティールケースにPGのツートーン。

しかしよく見ると

緩やかにカーブしたケースフォルムは腕に寄り添う形。あえてラグを長くとることで角型ムーブメントが収まるスペースを確保している。

ケースサイドのピンクゴールドは文字盤のカッパーの配色と呼応し、一体感を生み出している。

ケースを角型にする合理的な意味は全くないけど、その中で最高のエレガンスを生み出そうと極めて合理的なデザインの工夫が散りばめられている。まるで工芸品のように精緻に整えられたケースからは、むしろ質実さすら感じる。

僕らがレクタンギュラーウォッチに強く惹かれてしまうのは、こういう二面性にあるのかもしれない。