ローマ数字の腕時計。

美しい所作や工芸品のような芸術性を具現化したような懐中時計から離れ、ある種利便性を追求し、極端な言い方をすれば便利なデバイスとして当時懐中時計とは別の進化を模索し始めた、腕時計というジャンル。

その多くは視認性の高いアラビア数字をインデックスに用い、古典的なローマ数字を採用するものは少数派でした。その中でローマ数字だけが持つ格調高く荘厳なルックスに魅力される人も多いはず。

今回の旅で出会った2つのローマ数字の腕時計は、ルミナスとノンルミナス、スモールセコンドとセンターセコンドという異なる仕様を搭載した対の腕時計と言えますが、いずれも絶妙かつギリギリの緊張感漂う最高の文字盤デザイン。ローマ数字のオーソドックスな印象とは裏腹に、細部に遊び心と緻密な計算が同居しています。