銀座店で気まぐれに、不定期に開催するアザーコレクション「カプリース」。今回は知る人ぞ知る時計ブランド〈ウエストエンド・ウォッチカンパニー〉を中心に、1930年代末〜40年代の英国領インド帝国の”Civil Service”つまり公務員に支給された腕時計を集めました。
ウエストエンド社はスイスのウォッチメーカーですが、主に英国および当時英国領であったインド市場を中心に時計の製造を行っていて、その多くは高温多湿で砂埃の多い着用環境を考慮したタフな仕様が特徴。中には画像のようにCivil Service (India)の頭文字をとった”C.S.(I)”の刻印がケース内部に刻印されています。
またこれらの腕時計が支給された公務員は主に高等教育を受けたイギリス人やインド人で構成される文官であり、それもあってかミリタリーウォッチのようなタフな仕様でありつつ、夜光塗料を伴わないドレッシーな文字盤デザインが多く採用されているのも大きな特徴と言えます。
さらにこのシリーズはウエストエンド社以外にも、オメガやロンジン、ティソ、ファーブル・ルーバ、ミドーといった様々なスイスの時計メーカーが参画していて、ミドー製やロンジン製はウエストエンド名義の別注モデルが存在する点も興味深いところです。