腕時計の文字盤の色は、主に懐中時計を踏襲する形でホワイトが定番色として久しく認知されています。あるいはシックな色気を感じさせつつ、ミリタリーウォッチの定番色としても早期に定着したブラック。一般的に文字盤の色は、この2色がいわばパブリックイメージであると言って差し支えないと思います。

しかし、これに代わるオルタナティヴカラーとしてカッパー(銅)色も忘れてはならない存在。ローズゴールドとも呼ばれ、カクテルを思わせるこのカラーダイヤルは、少数ながら絶えずその存在感を発揮し続け、他の2色が持ち合わせない独特の華やかさ、一層洒脱でユニークな魅力を持っています。

今月はこのカッパーダイヤルの腕時計に焦点を当て、そのあまり知られていない個性や、個体ごとに微妙に異なる色味の奥深い魅力を共有したいと思います。