今月のテーマは、「スタンダード」。advintageが思い描く腕時計の「スタンダード」を体現した腕時計にフォーカスします。僕が腕時計をセレクトする上で大切にしている要素の、最もプライマリーなものだけに絞った、比較的シンプルなラインナップとなりますが、それでもひとつひとつ異なる個性を持ったadvintageらしさにも注目していただければと思います。

いわばadvintageのセレクトの基本理念をそのまま体現するような腕時計。具体的にその条件を挙げることは難しく、自分自身の感性に頼る部分が多いテーマですが、あえて言うなら彼らの「品の良さ」がセレクトにおいて大事にしている基準。ドレスウォッチはもとより、ミリタリーテイストの腕時計であっても、どこかノーブルで上品な表情を持っていること、そして同時に腕時計としての品質の良さによる裏付けがあること。当然ながらブランドネームは二の次です。

advintageには、突飛に見えるようなユニークなデザインを持つアクの強い腕時計が多い印象かもしれませんが、それらは全て、このadvintageのセレクト基準=「スタンダード」を満たしています。

ちなみに4月で創業して10周年となったadvintage。現在位置を再確認する意味でも、4月という節目にこのテーマを選んでみました。テーマビジュアルは、11年目の朝日を受けた美しいスミス・デラックス。スミスは1950年頃から1970年頃まで、およそ20年ほど腕時計の製造を行なっていましたが、その間、特にデラックスシリーズは腕時計デザインの大きな変更はありません。周囲がどんなに変化しても、ブレずにクラシックを追求し続ける姿勢は驚くべきものです。

10年前に出会ったスミスという腕時計は、今も変わらずadvintageのスタンダードの本質であることは変わりません。