■続 ユニーク・ラグ 
ヴィンテージウォッチにおけるラグデザインの妙は、もはや枚挙に暇なし。

 

 

時計の文字盤が人でいう顔だとすると、ラグはどこか。
僕なら、「髪型」と答えます。それくらい、ラグのインパクトは大きい。オーソドックスで真面目なスタイルもいいけど、やんちゃな奴ほど記憶に残ります。
個人的にはシリンダーケースのすっくと立ち上がったスリムなストレートラグが好み。
 

 

■クッションケース
もう説明の必要のないくらい、ザ・アンティーク、なケースシェイプ。

 

「クッションが入ってるんですか」
正直僕も、初めてこのネーミングを耳にした時はそう思いました。でも「座布団形」とはぜったい書きたくない。
 

 

 

■Strange Coincidences
今月いろいろとデザイン・コンシャスなヴィンテージウォッチについて書きましたが、一番ご紹介したかったテーマ。

 

ヴィンテージやアンティークと言われる腕時計は、基本的に一点物と言われることが多いですが、意外とそうじゃない。同じモデルの腕時計が他所にあることなんでザラ。有名ブランドならなおさらです。
それぞれ全く別のブランドで、しかも異なる年代に作られた個体にもかかわらず、奇妙なほどそっくりなデザイン。流行に左右されない普遍性というヴィンテージウォッチの中で、刹那的なファッション性を感じられる数少ない視点。

 

 

 

 

同時にまた、見事に相反する要素を持っているにも関わらず、近似性が際立つ具体例がこれ。
大と小。
アラビア数字とローマ数字。
ルミナスとノン・ルミナス。
これらは全て全く逆のデザイン性ではありますが、シリンダーケース、ルーレットスタイルのインデックス、そしてブラックミラーダイヤルという共通したベースラインが両者に存在するからこそ、このような奇妙な一致を感じてしまうのが面白い。