地味で似たような腕時計でも、背景やデザイン性の違いから引き立つ魅力があります。

 

 

 

アンティーク 腕時計

〈WEST END WATCH CO〉が手掛けた対の腕時計。いずれもミリタリーユースでありながら、左はクラシカルでドレッシーな顔立ちのスモールセコンドモデル、右は脈拍計測の際など秒単位の視認性に優れるセンターセコンドモデル。晩餐会か野営地か。フォーマルスーツか戦闘服か。それぞれのシーンを湧き立つ想像とともに楽しみたい。

 

 

 

 

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小振りで堅牢なケース、自動巻きムーブメントで一世を風靡した〈ミドー〉による、対の腕時計。黒文字盤の方は珍しい手巻きムーブ搭載モデル。クロかシロか、だけじゃない。ちなみに両者が製造された時期には10年以上の隔たりがあるのに、それを感じさせない洗練されたデザイン性たるや。

 

 

 

 

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英国の老舗宝飾品店〈トーマス・ラッセル〉による対の腕時計。いずれも異なるメーカーによって手掛けられ、それぞれ独自のアイデンティティが前面に出た仕上がり。ポーセリンダイヤルの左は〈ヴァーテックス〉製、右は〈スミス〉が当時の初期モデルをネーム替えで対応した珍しい個体。1940年代に産み落とされた珠玉のジュエラーウォッチ。

 

 

 

 

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フレンチウォッチの雄〈リップ〉が手掛けたこちらの二本。似た者同士じゃない、でも同じ匂いを感じるこのペアリング。レクタングルとラウンド、シルバーとゴールド、1940年代生まれと1950年代生まれ。こういう夫婦がいたらとても魅力的、と想像も膨らむ対の腕時計。

 

 

 

 

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〈スミス〉が手掛けた様々なモデルの中でも異色の存在、銀無垢クッションケース。右の初期モデルと左の「デラックス」とでは、製造年に約20年の開きがあるというのも驚き。左は1960年代らしからぬクラシカルなルックスと丸みを帯びたケースシェイプが、良い意味で異質な対の腕時計。