ミリタリーウォッチも新たに何点か入手しました。
ブリティッシュアーミーの人気は日本も現地も相変わらず。現地の相場は去年と比べて倍というのもザラ。高騰が続いています。 ダーティ・ダースはもう、話にならないことも多い。もはや日本で買ったほうが安いんじゃないかとすら思います。
個人的には、ミリタリーウォッチでも変化球的なものに惹かれつつあります。
最近ちょっとずつ知名度が上がってきているA.T.P.モデルもそのひとつ。
SSケースモデルのソリッドな風合いもいいですが、このモデルの醍醐味はむしろ部分的に真鍮の下地が露出しているくらいがちょうどいい。特にこの《ティモール》製のマルチステップドベゼルの重厚感は唯一無二。
ミリタリーに強いディーラーから勧められたこちら。ドイツ陸軍に支給された一群の”DH"シリーズ。基本的にやや小振りなものが多い一方、《レコード・ウォッチ・カンパニー》製はブリティッシュアーミーに匹敵するラージサイズ。独特の時分針の形状や、ちょいダーティな雰囲気もまた一興。
今まではクロームプレートというとメッキの摩耗や傷が目につくのが嫌で敬遠していたのですが、今になって見てみると第二次大戦をくぐり抜けた証と言うか、貫禄が出てきたと言うか、良い印象を受けました。当然ながらフルミントなコンディションが価値はある。でも本物のミリタリーウォッチの雰囲気を楽しむには、むしろこのくらいの方がいいんじゃないか、と。
次に戦後に支給されたシリーズもいくつか。
まずはこちらのハミルトン。裏蓋の”TROPICALIZED”の刻印が示すように、熱帯性気候など湿度の高い使用環境を考慮し気密性に優れたタフな一本。
G.S.の意味するところは、”General Service”。つまり非軍事要員向けに支給された腕時計です。彼らは政府職員として主にイギリス国外駐留地における治安維持やインフラ開発、現地政府の補助支援等に従事していました。またそのスペックの高さから、アブダビ国防軍やケニア軍に支給されたバリエーションも存在しています。
そして現在非常に高い人気を誇る、スミスのブロードアロー。 主に陸軍に支給されていた同モデルですが、こちらは空軍(RAF=ロイヤルエアフォース)に支給された極めて稀少な個体。裏蓋の”6B”の刻印がそれを示しています。
ミリタリーウォッチは非常に奥が深く、何を基準に選ぶべきかは人それぞれ。個体の稀少価値やブランドもそのひとつではありますが、それ以上に軍用時計は実用時計でもあります。ブランドとか背景とか関係無く、着けてかっこいいかどうかという目線も大事にしたいところです。