アンティーク 腕時計

アンティーク時計というと、そのケースサイズは現行品に比べるとかなり小振り。近年リリースされる男性向け腕時計のほとんどが40mm以上のいわゆる「デカ厚」のケースで、たとえそれが角型の時計だとしてもかなり大きめにデザインされています。それに比べてアンティークウォッチは30mm前後で、当時紳士用に作られたものでもボーイズサイズと言われても仕方ないほど華奢です。角型時計に至っては、「女性用ですか?」と問われることも少なくありません。
でも、近年の巨大化する腕時計が万人の腕にフィットするかどうかは、必ずしもイエスだとは思いません。もちろん大きな腕時計が似合う人もいるし、大きな腕時計しか選ばないという人もいると思います。そんな中で、小振りな腕時計を品良く身に付けている人はとてもお洒落だなーと思ってしまいます。それに日本人の比較的華奢な体格には、本来30mm前後のケースサイズが最も上品にフィットするとも言われています。
アンティーク 腕時計

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ケースもスタンダードなラウンドやレクタングルシェイプだけでなく、六角形、八角形といった多角形のケースバリエーションが見られたり、何より控えめで品のある文字盤の表情も魅力のひとつ。アール・デコやミッドセンチュリーといった、その時代を彩るデザインの潮流が顕著に表れた工業製品のひとつが腕時計であったこともあり、その表情は時代性を表す独特の雰囲気を持っています。
最近のファッションマガジンでは、徐々にではありますがアンティーク・ヴィンテージウォッチの特集が組まれたり、スタイリングにもアンティークの腕時計を合わせた例が見られるようになってきています。ファッション雑誌のスタイリングと言っても、その多くは突飛なものではなく、アイテム自体はとてもスタンダードなものが多いのが特徴。アイテムは普通でも、シルエットや素材で遊んだり、ヴィンテージを混ぜたりといった大人っぽいカジュアルスタイルが旬な今だからこそ、ファッションアイテムとしてのアンティークウォッチの価値が再評価されているのかもしれません。
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